食い散らかし
2006-07-01



 
 
 
なんだって「消費」の対象にしてしまう人間って、何なんでしょう?
 
いや。
 
「消費」なんて美しい言葉は相応しくない。
 
むしろ『食い散らかし』と言っていいかも。
 
 
自分がかかわったものに対して、責任も愛情も感じない。
 
自分の欲を満足させるための単なる「物」としか見ない。
 
自己満足のために、利益だけ吸い取ったら、平気で捨てて次の獲物に移っていく。
 
又は、
 
自己満足のために、公共のものを私物のように扱い、躊躇なく崩壊させ、
 
自分の意のままに操ろうと企む。
 
 
 

 
例えば、最近知り合いから聞いた、ある美術館の話。
 
 
 
鳴り物入りで開館したその美術館。
 
内紛が起こり、すでに空中分解しているらしい。
 
 
開館時のコンセプトが、実は最初から不満だった館長によって、
 
なにもかもが根底からひっくり返されようとしている。
 
 
開館前のコンセプトに従って、建築も収蔵作品も企画も、すべてが決められたはずなのに、
 
今になって、既存団体や組織の圧力をバックに、それを覆そうとする人間と、
 
その圧力に屈し、
 
「美術館を1件立ち上げ、開館させました。」
 
「世界的に有名な作家○○氏の展覧会を誘致し、成功させました。」という、
 
「美味しいお土産」なり「お駄賃」をもらって撤退し、他に移って行く人間。
 
こうなったのは、私のせいではない。
 
後のことは、知らぬ存ぜぬ、で。
 
 
 
(邪魔者が去った美術館で、館長が気にくわない作品を壊して捨ててるんじゃないか?
 
 っていう、笑えない笑い話もあるらしい。苦笑)
 
 
 
いっこの美術館の中で、利権を食い合って、誰もがそこそこ得をしたら、
 
はいそれではさようなら。お土産持って、次に参りましょう。
 
 
 
ちょっと待った!
 
その『利権』や『お土産』の出所は、結局一般市民の税金だったりするんですけど。
 
その崩壊した施設、どうしてくれるんですか!?
 
あなた達の私物じゃないんですよ!!
 
 
 
まあ、トップや上層部の人は、そうやって勝手に権力争いをして、
 
あげくウマウマとしてればいいのかもしれないけど、
 
可哀相なのは、そういう崩壊した人間の下で働いてる、普通の学芸員さんですね。
 
下の人間ほど、純粋に仕事をしてる人が多いのが、日本という国の特徴かもしれません。
 
 
もしかしたら、上に立つ人間は、自己利益に聡く、腹黒くなければならないと、
 
日本人は、心のどこかで潜在的に思ってるのかもしれません。
 
良い人は、トップになれない。むしろある程度悪人でないと。って。
 
(そんなの、ウソ!)
 
 
 
いや、でも...「あまりにも悪すぎ、汚すぎやしませんか?」という話です。
 
なんというか。。。
 
自分のやってる仕事に対する誇りとか、芸術や文化に対する敬愛の気持ちとか、
 
そういうの、無いんでしょうかね???
 
結局、権力を持った者の個人的好みや利権や人脈に集約されていって、
 
その言いなりになるのが「芸術」や「文化」や「市民」なんだっていうのが、
 
彼らの考えなんですか?
 
もしそうなら、バカにしています。
 
ああ、私は今までもこれからもずっと、
 
才能無くて、偉くなれなくて、彼らに無視されるような人間で幸いだった!!
 
 
 
今までにも内紛を起こして空中分解した美術館はいくつもあったと思うけど、
 
この美術館はちょっと注目してたので、ガッカリです。
 
 
 
 

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